| ※当ページは、『マネートレーダー 銀行崩壊』新潮文庫 を参考にしています。 |
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| ※ニック・リーソンは、たったひとりでベアリングズ銀行の利益の5分の1を稼ぎ上げていた人物 |
| です。その後、損失を抱え込み、銀行ごと倒産させてしまいますが……。 |
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| 1990年初頭。 |
| ベアリングズ銀行のニック・リーソンは、シンガポールにあり、SIMEX(シンガポール国際金融 |
| 取引所)から日経平均先物の売買を行っていた。 |
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| 大阪証券取引所には、彼の部下がおり、市場の様子を逐一知らせてくる。 |
| 市場の小さなシンガポール市場は、投資家だけで買いに入ろうとすることがあり、SIMEXの価格 |
| を急に押し上げることがあった。 |
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| すると、数秒のあいだ、大阪とシンガポールで価格差の生じることがある。 |
| 彼らが行動にでたのは、まさにそんなときだった。 |
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| 大阪で18590円で200枚売り、シンガポールで18580円で200枚買う。 |
| すると、わずか数秒のあいだに、1万6000ポンドの利益が転がり込んできた。 |
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| SIMEXは大阪に比べると小規模な市場であり、ときとしてSIMEXのなかでしか取引する資格の |
| ないディーラーがピットのまわりで日経平均指数を大きく動かすことがあった。 |
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| SIMEXは、オープン・アウト・クライ方式(先物取引のなかに設けられたピットと呼ばれる場所で、 |
| フロア・ブローカーが身振り手振りで声を張り上げて取引するやり方)という意味で、透明性の高い |
| 市場であり、そこには本物の買い手と本物の売り手しかいなかった。 |
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| ところが大阪市場は異なる。 |
| ニックは、大阪に対し、実際に売買するつもりのない嘘の注文を出して市場の方向性を作り出して |
| おきながら、リアルタイムで、リアルの売買が行われるSIMEXの市場で、逆の売買をしていた。 |
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| もし、市場がSIMEXで18560円だとしたら、大阪で18570円で500枚、18580円で500枚、 |
| 18590円で500枚と売り注文をだしていけば、大量の売り注文が控えているので、誰も買わなく |
| なる。 |
| 日本の市場に置かれた上値の重い売り注文によって、市場は上昇しないと意図的に教えてやる |
| のである。 |
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| すると、人は売りに回るから、市場がしばらく落ち着くのを待って買いに入り、さきほど自分が大阪 |
| で出した売り注文を取消てしまう。 |
| 売り圧力のなくなった市場は、上昇気味になるから、そこでより高い値段で売って儲けるのである。 |
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| これは資本力がものをいう手法であり、ベアリングズに大きな量で売買できる資本があれば、 |
| ニツクたちは市場を動かすことができ、堀の上に座って両方の市場を観察しながら、どちらに入っ |
| てどちらから出るかを自由に選ぶことができる。 |
| この手法が成功するには、素早くやり遂げねばならない。そして彼らは、やり遂げたのだった。 |
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| これを見せ板という視点から図示してみます(詳細は次のページ:見せ板にて)。 |
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